正規ディーラーでのチューニング

「チューニングも正規ディーラーに任せてくださいね」 東京オートサロン2017のフォルクスワーゲン ブースをひと巡りしたら、なんだかそんなふうに諭されているような気がした。

会場で行われたフォルクスワーゲン アカデミー専任トレーナーのプレゼンテーションによれば、COX（コックス）とOettinger（エッティンガー）、2つのブランドのチューニングパーツを正規販売店で扱うことになったのだという。

Volkswagen Golf GTI Tuned by COX

COXは1980年代からフォルクスワーゲンのカスタマイズを手がけてきた日本の老舗。そしてOettingerは1946年に初代ビートルのチューニングメーカーとしてドイツ フランクフルトに設立された名門。ゴルフⅠやⅡでモディファイを楽しんできたオジサンたちなら、その名を聞いただけで心躍るに違いない。そんな由緒あるブランドの、いわゆるチューニングパーツをディーラーで販売し、取り付けもきっちり行ってくれるというのだ。

ブースに展示されていた“Volkswagen Golf GTI Tuned by COX”は、そんな厳選アイテムで仕立てられたコンセプトカーである。ちなみにCOXではCOX Golf VII C20T と呼ばれるGolf VII GTIをベースとしたコンプリートカーを手がけているが、Volkswagen Golf GTI Tuned by COXはあくまで“カスタマイズ例”。「あなたのゴルフが、こんなふうに変身できちゃうんですよ」とわかりやすく説明してくれているわけなのだけれど、これが実に素敵なのである。

チューンナップのポイントは吸排気系と足回り。前者はステンレスマフラー＆エキゾーストチャンバーにはじまり、ターボパイプキットやパフォーマンスエアフィルターも装着。

そして後者は、オリジナルスプリングキット、スタビライザーセットのほか、ブレーキまわりにもスペシャルアイテムが奢られる。さらに注目は、コックス ボディダンパー。ボディ全体の微振動を抑制し、操縦安定性やドライバビリティの向上、上質な乗り心地を実現する機能部品である。

クルマのカスタマイズに関し、さらに一歩前へ踏み出す取り組み

日本の自動車メーカーや正規インポーターが、東京オートサロンで当たり前の様に､ブースを出店するようになってからずいぶんと経つが、今回のフォルクスワーゲングループジャパンの提案は、クルマのカスタマイズに関し、さらに一歩前へ踏み出す取り組みと思える。

幅広いカスタマーの要望に応え、ガッチリ囲い込みたいのだろうが、これはクルマを自分好みに仕立てたいという思いがある方にとって朗報だ。販売店でカスタマイズに対応してくれるなら、これほど安心･安全なことはない。クルマの楽しみがグッと広がるのではと、期待せずにはいられない。