• TOKYO AUTO SALON 2022
  • 2022年1月31日

【東京オートサロン2022】クルマの楽しみ方は千差万別。“使い方”の提案にもこだわりが覗いたホンダブース。【CIVIC TYPE R Prototype、STEP WGN e:HEV SPADA Concept、VEZEL e:HEV Modulo X Concept、K-CLIMB、N-VAN カスタム「3rd Place VAN」、N-WGN PICNIC】

電動化を積極的に推し進め、ラインナップの見直しも大胆に行っていくというホンダ。未来を見据えた新たな取り組みが動き始めた中でも、東京オートサロン2022においては、走りの楽しさや気軽にカスタムする楽しさを追求した。展示スペ […]

電動化を積極的に推し進め、ラインナップの見直しも大胆に行っていくというホンダ。未来を見据えた新たな取り組みが動き始めた中でも、東京オートサロン2022においては、走りの楽しさや気軽にカスタムする楽しさを追求した。展示スペースは「e:HEV」、「Nシリーズ」、「スポーツ」という3つのセクションに分けられ、「e:HEV」には「STEP WGN e:HEV SPADA Concept」、「VEZEL e:HEV Modulo X Concept」、「FIT e:HEV CROSSTARカスタム」の3台を、「Nシリーズ」には「N-BOX Custom STYLE+ BLACK」、「N-VAN カスタム「“rd Place VAN”」、「N-WGN PICNIC」、「K-CLIMB」の4台を、そして「スポーツ」には「CIVIC TYPE R Prototype」を並べている。さらに「無限」のブースには2台のモータースポーツ参戦車両、スーパーフォーミュラ「TEAM MUGEN SF19 #16」、SUPER GT GT500クラスマシン「Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT #16」のほか、無限パーツを数多く装着した「MUGEN CIVIC」も登場した。まずは2台の新型シビックからご紹介しよう。

 

カモフラージュの中に進化した姿が見え隠れする「CIVIC TYPE R Prototype」

2022年中の発売が予定されている新型シビックタイプR。とは言ってもまだスペック等は公開されていないから、今回の展示もデザインやプロポーションをはっきり見せないカムフラージュが施されていた。そんなプロトタイプモデルに近づいてみると、“R” の文字と歴代シビックタイプRの線画が、ボディ全体にちりばめられていることがわかる。東京オートサロンだけのスペシャルバージョンだが、なかなか粋な演出。ニヤリとしたファンも多かったに違いない。

細かくディテールを把握することは難しいけれど、エアアウトレットを設けたボンネットフード、よりふくよかになった前後フェンダー、大型だがいかにも軽そうなリアウイング、そしてFK8と同様にセンター3本出しとなるマフラーなどが確認できる。さらにタイヤサイズは265/30R19で、FK8と比べるとインチダウンしたが、よりワイドなタイヤが与えられていた。FFスポーツ最速を標榜するだけに、どんな仕上がりを見せるのか楽しみつつ正式発表を待ちたい。

 

TEAM MUGEN SF19と同様のメッセージを込めた「MUGEN CIVIC」

日本市場では2021年9月に発売されたばかりのFL1シビックは、“ダイナミック&スポーツ”をコンセプトとして、スタイリングや走行性能といった車の本質にこだわりつつ開発したMUGEN製品を装着。ボディパーツは、フロントアンダースポイラー、サイドガーニッシュ、リアアンダースポイラー、テールゲートスポイラー、ドアミラーカバーなどでよりスタイリッシュな装いに仕立てた。

このほかにもスポーツエキゾーストシステムや、FS10 鍛造アルミホイールといった魅力的なアイテムを装着するが、もっとも印象的だったのは“特別なカラーリング”。2021シーズンを戦った「TEAM MUGEN SF19 #16」と同じようにコロナ禍での医療従事者への感謝を込めたメッセージをボディにあしらって注目を集めていた。

 

発売前の新型をベースに特別な装いを与えた「STEP WGN e:HEV SPADA Concept」

東京オートサロン2022開催に先駆けて、1月7日に発表された新型「STEP WGN(ステップ ワゴン)」。「#素敵な暮らし」をグランドコンセプトに、STEP WGN AIR(ステップ ワゴン エアー)とSTEP WGN SPADA(ステップ ワゴン スパーダ)というテイストが異なる2バリエーションをラインナップするが、どちらもシンプルでクリーンなエクステリアデザインが清々しさを感じさせるピープルムーバーとして、新しいミニバンの魅力を訴求している。そんなSTEP WGN、発売は今春ということだが、東京オートサロンのホンダブースには早くもスタイルアップされたコンセプトモデル「STEP WGN e:HEV SPADA Concept」が登場。新型を実際に目にすることができるとあって、大きな注目を浴びた。

そのネーミングの通りe:HEV SPADAをベースとしたカスタムバージョンなのだが、まずはラッピングによる2トーンカラーが目を引く。ホワイトボディをベースにピラーを含めたルーフ側がブラックとなるが、境目にグラデーション処理が施されているのが新しい。また、ラッピングに合わせるかのように、ドアミラーはカーボン柄のシートをあしらい精悍さを強調。さらにスポーティな15本スポーク18インチホイールに、カジュアルスポーティタイヤ POTENZA Adrenalin RE004を組み合わせ、ローダウンも行っている。顔立ちやルーフスポイラーなどについては、“標準”のSTEP WGN SPADAと同様だ。質感を高め、機能を充実させた派生モデルとして、STEP WGN SPADA PREMIUM LINE(ステップ ワゴン スパーダ プレミアムライン)を設定するとアナウンスされているから、このコンセプトモデルはそれをイメージしたものかもしれない。

 

高い完成度にワクワクなコンプリートカーシリーズ、「VEZEL e:HEV Modulo X Concept」

「Modulo X」は、ホンダ車向け純正アクセサリーの開発・販売を手がけるホンダアクセスのコンプリートカーシリーズだ。現行モデルとしてはフィットとフリードに「Modulo X」が用意されているが、アーバンSUVとして人気を得たVEZEL(ヴェゼル)にラインナップすべく開発中というのが、東京オートサロン2022に展示された「VEZEL e:HEV Modulo X Concept」なのである。2モーター式ハイブリッド「e:HEV」を搭載するヴェゼルをベースに、専用開発されたエアロパーツ、サスペンション、ホイールなどを装着する。

中でもエアロパーツは、フロントエアロバンパー、フロントグリル、リアエアロバンパー、テールゲートスポイラーを装着し、よりスタイリッシュな装い。しかしModuloブランドでは、デザインだけでなく機能性も高めたエアロパーツを送り出すべく、「実効空力」というコンセプトのもと開発を行っているのが大きな特徴で、空力効果に優れたエアロパーツにより、リニアなハンドリングの実現や走行安定性の向上を目指している。

 

モータースポーツ参戦車両をイメージした「K-CLIMB」

オンライン開催となった東京オートサロン2021でお披露目された「K-CLIMB」だが、実車の展示は今回ははじめて。ヒルクライムレースなどモータースポーツへの参戦を目指して、N-ONEをベースにホンダアクセスが製作したカスタムモデルである。おやっと思ったのはフロントフェイスの意匠だ。アッパーグリルの開口形状やHマークの配置を左右非対称にデザインとしたところなどは、「ブルドッグ」の愛称で親しまれ、ワンメイクレースも開催されていたシティ・ターボⅡヘのオマージュが込められているという。

ボディは軽量化を追求し、グリル、前後バンパー、ボンネットフードをCFRP製に換装。また、空力についてもこだわり、専用開発のテールゲートスポイラーを装着している。さらにホイールインセットを変更してワイドスタンスを実現するとともに、専用デザインのオーバフェンダーを装着。このほかにもデュアルセンター出しのエキゾーストシステム(ワンオフ)や6点式ロールバーを装備して、モータースポーツ参戦車両としての資質を高めた。

 

センスの良さで魅せる、そして使い勝手も抜群な「N-VAN カスタム『3rd Place VAN』」

この天賦の才能、商用車として使われているだけじゃもったいない!! そんなふうに感じた方はけっこう多かったようで、N-VANをさまざまなシーンに持ち込んで相棒にしている例は枚挙にいとまがない。「N-VAN カスタム『3rd Place VAN』」もそんな楽しみ方の提案のひとつで、「3rd Place」には自宅や仕事場とも異なる自分だけの場所という意味が込められている。

まずは外観がインパクト大。メッキのラッピングシートを加工してアルミ地肌のような風合いを醸し出したエクステリアは、アメリカのトレーラーハウスをイメージ。クラシックなデザインのルーフラックや白×赤のストライプがかわいいルーフタープもじつに魅力的だ。さらにインテリアに目を向けると、オシャレなカフェを思い起こさせる長テーブルや収納ボードなどが盛り込まれている。こういったアイテムは、有孔ボードなどを巧みに利用して簡単に取り付けができるようになっており、手の込んだモディファイを行わなくてもスタイリッシュに仕上げることができるよう工夫したところが秀逸。N-VANをカスタムされる方にとってはいいお手本になるに違いない。

 

アウトドアを楽しみ尽くすためのアイデア満載、「N-WGN PICNIC」

顔立ちがなんともユニークで、思わず笑みがこぼれてしまう愛らしさに溢れていたのが、ホンダアクセスの手による「N-WGN PICNIC」だ。N-BOXよりちょっと地味目な存在だけれど、実はとっても使い勝手がいいN-WGNをベースに、外遊びの満喫のしかたを提案したモデル。ウッド調のライトリングを組み合わせた丸めヘッドライトを採用し雰囲気が一変しているが、アイボリーとライトパープルの2トーンに塗り分け、サイドにリアルウッドパネルを配したところにもセンスの良さが光る。

一方、カーゴタイプのルーフキャリアやボディカラーとお揃いのストライプが爽やかなシートカバーなども盛り込むなど、実際に使えそうなアイデアが数多く、完成度の高さにも心が引かれた。ゲートをオープンしたリア回りにピクニックテーブルや折り畳みチェアなどをレイアウトした展示はアウトドア気分でいっぱい。こんなふうにお出かけしたい!「N-WGN PICNIC」にはそんな気分にさせてくれるカスタムが詰め込まれていた。