• TOKYO AUTO SALON 2022
  • 2022年1月24日

【東京オートサロン2022】新型フェアレディZが話題をさらった日産ブース。カスタムバージョンも注目を浴びる【FAIRLADY Z Version ST 9M-ATx、FAIRLADY Z Proto Spec、FAIRLADY Z CUSTOMIZED PROTO、Nissan Z GT500】

ついに全貌を明かした新型フェアレディZ。2021年8月にワールドプレミアを終えているが、1月14日、東京オートサロン2022において日本における正式発表が行われたのである。東京オートサロンが新型車発表の舞台に選ばれるのは […]

ついに全貌を明かした新型フェアレディZ。2021年8月にワールドプレミアを終えているが、1月14日、東京オートサロン2022において日本における正式発表が行われたのである。東京オートサロンが新型車発表の舞台に選ばれるのはもう珍しいことではないが、日産を、そして日本車を代表するスポーツカーだけに、“実物”の出来映えを見ようと会場を訪れた方は多かったに違いない。

日産ブースには、発売間近となったSUV EV「ARIA」をはじめ、アウトドアを楽しみ尽くすための提案が込められたカスタムコンセプト「CARAVAN MOUNTAIN BASE CONCEPT」などが並んでいたが、やはり主役はフェアレディZ。標準グレードのほか、特別限定車と参考出品となるカスタムモデルも展示。ブースのほぼ半分を占めるステージに3台が並ぶ様はインパクト大で、たくさんのファンの熱い視線を集めていた。

DNAをしっかり受け継いだ新型「FAIRLADY Z Version ST 9M-ATx」

スーパーブラックとの2トーンは特別塗装色となるが、上質感を感じさせる“セイランブルー”のボディカラーをまとっていたのが通常ラインナップに用意される「フェアレディZ バージョンST 9M-ATx」。まずはそのエクステリアデザインに心が揺さぶられた。1969年に初代モデル(S30)が発売されて以来、スポーツカーファンを魅了し続けるフェアレディZは新型が第7世代となるが、歴代フェアレディZの面影がそこここに認められ、「伝統と最新技術の融合」というテーマを見事に体現している。

サイドシルエットやフロント回りには「S30」へのオマージュが込められているのがわかるが、テールランプなどリア回りには「Z32」のモチーフも見受けられる。ロングノーズショートデッキという伝統的なプロポーションの中に、“Zらしさ”が詰まっているのである。ボディサイズは全長×全幅×全高が4380×1845×1315mm、ホイールベースは2550mm。プラットフォームは先代のそれを流用しホイールベースも変わらないが、それを感じさせない流麗さと美しさが印象的だ。

エンジンはスカイライン400Rに搭載され話題を呼んだ、3リッターV型6気筒ツインターボ、VR30DDTTユニットを搭載。最高出力405ps/6400rpm、最大トルク48.4kg-m/1600-5600rpmとスペック的には400Rと変わらないが、各部に手が加えられレスポンスアップを図っている。トランスミッションは6速M/Tもしくはマニュアルモード付き9速A/Tから選ぶことができる。グレードはこの「バージョンST」のほか、標準型の「Z」と「バージョンS」を用意する。

 

先行して発売予定の特別限定車「FAIRLADY Z Proto Spec」

鮮やかなイカヅチイエローとスーパーブラックの2トーンカラーが目を引く一台は、6月下旬に先行販売される予定のリミテッドバージョン「FAIRLADY Z Proto Spec」だ。フェアレディZのプロトタイプから着想を得たモデルで、専用カラーのほか発売を記念したスペシャルな仕立てが盛り込まれた。外観で目に留まるのは“チタニウムゴールド”のレイズ製19インチアルミ鍛造ホイール。さらにボディカラーに合わせたイエローのアルミキャリパーを装備する。

また、インテリアも特別仕様ならではの仕様となる。本革・イエローセンターストライプ/ステッチ/アクセントラインが施されたスエード調ファブリックコンビシートが目を引くほか、インストルメントパネル、ドアトリムクロス、M/Tシフトノブブーツ、ニーパッドには専用カラーステッチが与えられ、統一感のある内外装となっている。

販売台数は240台で、購入を希望する場合は「フェアレディZメールマガジン」に登録してオンラインで申し込む必要がある。なお240台を超える応募があった場合は抽選が行われるそうだ。

極めつけのカッコよさ!!「FAIRLADY Z CUSTOMIZED PROTO」

東京オートサロンには、セイランブルー×スーパーブラックの市販標準仕様と、イカヅチイエロー×スーパーブラックの市販限定バージョンのほか、特別色となるオレンジに、エンジンフード、ルーフ、テールなどがブラックでコンビネーションされたボディカラーが印象的な「FAIRLADY Z CUSTOMIZED PROTO」も展示された。

往年のZファンならお気づきだろうが、この色使いは初代Z30に用意された、競技向けベース車両「フェアレディZ432R」を彷彿とさせるもの。そう、「FAIRLADY Z CUSTOMIZED PROTO」には、ボディカラーをはじめよりハイパフォーマンスをイメージさせるカスタマイズが絶妙に施されているのだ。まず目につくのは顔立ちの違いで、専用デザインの「フロントバンパー」が与えられ「カーボンリップスポイラー」も追加。さらに「フロントグリル」も標準モデルと異なり、精悍さが増した。

一方、よりワイドなタイヤの装着を可能にする「前後オーバーフェンダー」の追加もじつに効果的なモディファイだ。こちらは240Zを思わせるアイテムだが、専用19インチアルミホイールとフロント255/40R19、リヤ285/35R19サイズのホワイトレタータイヤとのバランスもよく考えられている。このほかにも「大型リヤスポイラー」「ボディサイドストライプ」、上下二分割のテールデザインが個性的なマフラーなどを採用し、実に刺激的なエクステリアにまとめられていた。

インテリアもダッシュボード上に3連メーターをレイアウトするなど歴代の個性をしっかりと受け継ぎつつアップデートされた新型フェアレディZ。Zファンにはたまらないディテールがちりばめられた「FAIRLADY Z CUSTOMIZED PROTO」についても市販化の動きはあるという。ぜひ公道を走る姿を見てみたいものだ。

 

SUPER GTを戦い抜くためのニューウェポン「Nissan Z GT500」

GT-Rファンは一抹の寂しさを感じているかもしれないが、日産とニスモはSUPER GTシリーズのGT500クラス参戦車両を、2022年シーズンから新型フェアレディZに変更することを発表した。GT500クラスの参戦マシンとしてフェアレディZが投入されるのは14年ぶりのことだ。

「Nissan Z GT500」と呼ばれるGT500マシンは早くもその姿がお披露目されており、東京オートサロンにも展示された。新型のイメージを盛り込みつつ、純レーシングマシンの凄みを感じさせる仕立てに、活躍を期待するファンは多いことだろう。