• TOKYO AUTO SALON 2022
  • 2022年2月2日

【東京オートサロン2022】「ROHAN」が手がけたグラインダータトゥとゴーストペイントの競演はまさに芸術【ROHAN×RED GHOST ALPHARD、ROHAN×86 izawa art design、Car paint K×86 GHOST PAINT、ROHAN×35GT-R Super Complete、ROHAN×Camaro izawa art design】

強烈なインパクトをもって来場者の視線を釘付けにする「ROHAN」。毎年、独自のボディペイントによる斬新な表現方法を駆使し、カスタムカーの新たな魅力を提案することで常に話題を呼んでいる存在だ。ボディペイントという範疇に収ま […]

強烈なインパクトをもって来場者の視線を釘付けにする「ROHAN」。毎年、独自のボディペイントによる斬新な表現方法を駆使し、カスタムカーの新たな魅力を提案することで常に話題を呼んでいる存在だ。ボディペイントという範疇に収まりきらない美しさは、まさに芸術。独創的なアイデアをカタチにしようと試行錯誤を繰り返し、技術を高め、クオリティにこだわり続けてきたからこその仕上がりなのだろう。

「ROHAN」は「東京国際カスタムカーコンテスト」で何度も賞典に輝き、東京オートサロン2022のブースには、2019年にインポートカー部門最優秀賞を獲得した「ROHAN METAL IMPALA」の姿もあったが 、ここでは「ROHAN×RED GHOST ALPHARD」、「ROHAN×86 izawa art design」、「Car paint K×86 GHOST PAINT」、「ROHAN×35GT-R Super Complete」、「ROHAN×Camaro izawa art design」の5台をピックアップ。まずは「ROHAN」のノウハウが余すところなく注ぎ込まれた「ROHAN×RED GHOST ALPHARD」を紹介しつつ、手間のかかった作業内容についても触れていきたい。

 

「ROHAN×RED GHOST ALPHARD」

「ROHAN」が展開するエアロパーツ「130design」のフロントディフューザーを装着し、オリジナルの鍛造3ピースホイール「ROHAN GSR GS-1」が足もとを飾る「ROHAN×RED GHOST ALPHARD」。オリジナルブレーキシステムや「Air REX」のエアサスペンションなども組まれ、精悍な佇まいの30アルファードだが、圧倒されるのはなんと言ってもそのボディペイントである。

大きなボディ全面にアートを描くようにして製作されたのが「ROHAN×RED GHOST ALPHARD」。ベースカラーは鮮やかなキャンディカラーのスコーピオンレッドと深い色合いのブラックのように見えるが、視線を動かし光の当たり方が変わると、ウェーブラインと幾何学模様が揺らぎながら浮かび上がってくる。そう、まるでゴーストのように・・・。これは、「グラインダータトゥ」という手法や「ROHAN」の井澤代表が独自に開発した「IZ Kandy」という塗料を用いて実現させたものである。

作業工程は実に複雑。まずは塗装をすべて剥離したボディパネルに、特殊なグラインダーを使ってウェーブラインを彫り込んでいく。熟練の職人が手作業で行うもので、これが「グラインダータトゥ」だ。徹底した管理と下処理で水分を残さないよう細心の注意を払いつつ作業を進め、ラインを入れたら防錆処理も施す。続いてクリアで表面をフラットにしたあと「IZ Kandy」のスコーピオンレッドを塗る。「IZ Kandy」は顔料系のキャンディ塗料で、紫外線による退色を抑えつつ濁りのない透明感があるから、ボディに施したデザインやグラフィックをきれいに見せることができる。

これだけでも驚きの仕上がりなのだが、作業はまだまだ続く。さらに「IZ Kandy」のブラックを薄めにペイントする。こうすると見る角度によってブラックに見えたりスコーピオンレッドが浮き上がってきたりとボディ全体が様々な表情を見せるようになる。このアルファードではフロント/リアセクションはブラックキャンディを濃く、ボディサイドは薄めにしてグラデーションをかけている。

そして、この上に幾何学模様やロゴによる左右対称のデザインをシルバーペイントで表現し、リアのコーナーパネルにはシルバーレースペイント(ヒョウ柄)を施した。最後にもう一度「IZ Kandy」のスコーピオンレッドを塗り、その上からブラックキャンディを薄くペイントして完成。多層に塗り重ねることで、グラインダーによるウェーブラインが一番下に、その上に幾何学模様が浮き上がるような奥行きのあるペイントになる。驚きの仕上がりを実現するためには、実に手の込んだ作業が必要なのである。

 

幻想的な「IZ Kandy SnowWhite」で生まれ変わった「ROHAN×86 izawa art design」

2台並んで展示されていたZN6 86のうち、独特の存在感を放っていたのが「ROHAN×86 izawa art design」。ペイントの手法は基本的に「ROHAN×RED GHOST ALPHARD」と同様で、ボディ全体に「グラインダータトゥ」を入れ、さらにトライバル風のデザインを重ねているが、目を奪われるのはスノーホワイトの「IZ Kandy」を全身にまとった、その美しさだろう。上品かつクールで、86にこれまで感じたことのないオーラを湛えているように思えた。光の当たり方によってゴールドに近い輝きも放ち、とても豊かな表情を見せる。エアロはすべてTRD製で、フロントスポイラー、サイドスカート、リヤスポイラーを装着し、リアバンパーは後期型用に交換。また「DIRect GT-WING」も取り付けた。このほか「HKS HIPERMAXⅣ GT SP」車高調でローダウンし、ホイールは「SSR GTV01(FR:18×7.5J+48)」を装着している。 

 

バイオレットとブラックのグラデーションで惹きつける「Car paint K×86 GHOST PAINT」

妖艶さと凄みが融けあったようなバイオレットのボディカラーが心を揺さぶるもう一台の86は、大分県杵築市で鈑金塗装からカスタムペイントまで幅広く行っている「Car paint K」が手がけたカスタムカーだ。「Car paint K」は「ROHAN」の施工店で、「Carpaint K×86 GHOST PAINT」にはその技術を余すところなく投入されている。ボンネットフードにはきめ細やかな「グラインダータトゥ」が施され、左側には直線基調のグラフィックを重ねた。またボディサイドには幾何学模様のグラフィックとフェンダーを囲むようなラウンドラインを盛り込み、ドアミラーにダイヤブロックデザインをあしらうなど、細部にまで手が入れられている。また、「IZ Kandy」による塗装はバイオレットだけでなくブラックも組み合わせることで深みのあるカラーリングを実現したところがポイント。ペイントのほかには、「CUSCO street ZERO A」車高調を装着し、ボディ同色とした「RAYS グラムライツ57エクストリーム(FR:18×7.5J+50)」をセットしている。

 

こだわり抜いた「130design」エアロキットを装着した「ROHAN×35GT-R Super Complete」

ボディ全体は「IZ Kandy」の特別塗装色「アルティメットシャイニーオレンジ」でペイントし、ボンネットフードには「グラインダータトゥ」と幾何学模様のグラフィックも施した「ROHAN×35GT-R Super Complete」。鮮やかだけれど上質感もたっぷりのボディカラーにぐっと惹きつけられるが、このクルマにはもうひとつ見どころがある。それは「ROHAN」がリリースするエアロパーツブランド「130design」のボディパーツを装着していることだ。R35GT-R用に開発したハーフタイプの「フロントディフューザー」、「サイドディフューザー」、「リアディフューザー」、そして「GTウィング」で、より精悍に装っている。

いずれもカーボン製(FRPも設定)を装着し、絶妙のボリューム感とプレスラインを入れることで奥行き感を表現したデザインが秀逸だが、「IZ Kandy」のブラックゴーストでペイントしているため、なんとも深みのある色合いになっている。リアディフューザーは3分割タイプ、GTウィングはトランクサイドにベースを取り付けるデザインを採用するなど、細かいディテールにもこだわりが覗くエアロキットだ。さらにエッジを際立たせたデザインが美しいオリジナル高品質鍛造ホイール「ROHAN GSR GS-1(F:20×10.0J+24、R:20×11.0J+11)」を装着し、「ROHAN」色に染め上げた。

 

独創的なペイントで躍動感を表現した「ROHAN×Camaro izawa art design」

「ROHAN」のボディペイントワークが炸裂した「ROHAN×Camaro izawa art design」は、ボリュームたっぷりの前後ディフューザーなどアグレッシブなボディパーツの装着も相まって、なんとも刺激的なアメリカンマッスルだ。メインのボディカラーはブラックだが、ボンネットフードとサイドにスコーピオンレッドを配し、ビビッドなイメージに。また、ボンネットフードには「グラインダータトゥ」でウェーブラインを刻み、ラインデザインも盛り込んでいる。さらにボディサイドはシルバーメタリックでフェードラインを入れ、「IZ Kandy」スコーピオンレッドで仕上げた。マシニング+クリア(バフアルマイトリム)の「ROHAN GSR GS-1(F:21×10.0J+11、R:21×11.0J+24)」もカマロにピッタリな印象だ。