EVの世界を更に広げる存在、ノート e-POWER NISMOに大注目
昨年末にビッグマイナーチェンジを果たした日産ノートが、2016年11月の国内新車販売ランキング1位に輝いた。日産車としては、サニー以来なんと30年振りのことだというが、その立役者となったのがノートe-POWERだ。 1. […]
昨年末にビッグマイナーチェンジを果たした日産ノートが、2016年11月の国内新車販売ランキング1位に輝いた。日産車としては、サニー以来なんと30年振りのことだというが、その立役者となったのがノートe-POWERだ。
1.2リッター4気筒ガソリンエンジンとモーターを搭載し、シリーズハイブリッドと呼ばれるカテゴリーに区別されるが、エンジンは発電用で、その電気によりモーターのみで走行する。だから、アクセルを踏み込めば即座に分厚いトルクが立ち上がる瞬発力が印象的なドライブフィールは、完全に電気自動車(EV)である。それなのに外部から充電することなく、フツ〜のクルマのように給油していれば走行可能距離に神経を遣わずにすむのだ。
また、大容量リチウムイオンバッテリーを積む必要がないため、システムをよりシンプルに構成でき、価格を抑えることも可能になった。いろんな意味で環境性能に優れたEVの魅力を手軽に味わえるから、日産が“発明”なんて意気込みたくなる気持ちもよくわかる。
いきなりスマッシュヒットを飛ばしたそんなコンパクトカーに、NISMOバージョンが加わった。東京オートサロン2017の日産ブースにおいても、この“ノート e-POWER NISMO”が大人気。以前からノートのガソリン車をベースにしたNISMO/NISMO Sが販売されており、マイナーチェンジ後も再登場したが、ノート e-POWER NISMOもエクステリアは同様の仕様にまとめられ、グリルまわりのブルーのラインやダーククロームのメッキグリルなどでe-POWERであることをさりげなく主張している。
日産ブースに展示されていたフェアレディZ、ジューク、マーチのNISMOと同様に、見た目からもスポーティテイストを強調していることが伝わってくるけれど、もちろんこのクルマの魅力は、コスメティックチューンだけにとどまらない。
剛性アップを狙ったボディ補強が施され、引き締められた足まわりやNISMO専用チューニングが与えられたパワーステアリングも採用するなど、各部にわたりきめ細かい手当てがなされている。加えて注目なのは、立ち上がりに力強さを増すようコンピューターの制御を変更し、さらに力強いドライブフィールが堪能できること。しかも、その乗り味がなんとも洗練されているのがいい。じつに大人っぽいスポーティフィールなのだ。
NISMOはニッサン・モータースポーツ・インターナショナルの略称で、その名の通りレーシングフィールドで活躍する数多くのマシンを手がけてきたことから、幅広い年齢層のクルマ好きに訴求する、好感度の高いブランドである。そんな日産の財産とも言うべきネーミングが、エコなEVに与えられたことに大きな意味がある。優れた環境性能と走る楽しさをみごとに融合したEV…。日産リーフが切り拓いたEVの世界を、ノート e-POWER NISMOは更に広げてゆく存在になるかもしれない。