トヨタファンもダイハツファンもアッと言わせたコペン進化形

広大な幕張メッセの会場をぐるぐる見て回るのだから、まずは展示車両リストをくまなくチェックし、アタリをつけてから取材を始めるのが通例だ。で、一瞬目を疑った。TOYOTA GAZOO Racingブースの車名には、注目のスープラなどと並んで「COPEN GR SPORT CONCEPT」と記されていたのである。COPEN？ コペン？ ダイハツ･コペン？？ どうして〜 ダイハツがトヨタの完全子会社だということはわかっていても、コペンがGR SPORTの名を冠して登場するなんて！ まさかと思いつつ、今度はダイハツのリストもチェックすると、やっぱりありました「COPEN GR SPORT CONCEPT」の名が…… これは事件です。そこでTOYOTA GAZOO Racingブースに足を運んで、いろいろ確かめてみることにした。

トヨタ、そしてTGRの勢いを感じさせるサプライズ

クルマをチェックするのを後回しにして、まずは担当者に話を聞いてみる。「これ、買えるんですか？」と言う問いに、「販売前提で開発しています」とのこと。ならばいちばん知りたいところ、そもそもどうしてこんな話が持ち上がったのか？ 「GRブランドに幅広いラインアップを展開する上で、もともと完成度が高いコペンは格好の素材でした。その一方、コペンにとってもGRブランドはとても魅力的だったのだと思います」。つまり、とってもウィンウィンなプロジェクトだというわけだ。おそらくどちらの販売店でも購入できることになるのだという。
開発はダイハツが担当しているようだが、トヨタ側もノウハウを提供しクルマを仕上げており、こういった取り組みが今後さらに増えてくることは想像に難くない。冷静に考えてみれば、トヨタ･ルーミー/タンク、ダイハツ･トール（それにスバル･ジャスティ）はじめ、ダイハツからトヨタにOEM供給されるモデルはいっぱいある。それと同じ、もしくはその延長的な話と解釈しても間違いではなさそう。それにしても、スープラといい、このコペンといい、トヨタには勢いがある。こうして見ても乗っても楽しくなるクルマを、どんどん送り出してほしいものだ。

キモを押さえたカスタムで、新しい魅力に溢れたコペンになった

さて、クルマの出来映えはといえば、これがとってもステキ。GRブランドでは最も身近な「GR SPORT」だからハードチューンは施されていないものの、GRモデルならではのFunctional MATRIXグリルが与えられたフロントバンパースポイラーやリアディフューザーを採用。

さらにブラックインナーヘッドライトとリアコンビランプが与えられエクステリアはグッと引き締まった印象だ。16インチのPOTENZA RE050を組み合わせたBBSホイールもよく似合っている。

またインテリアはGRのロゴ入りの専用レカロシート、MOMOステアリング、カーボン調のパネル類などで上質かつスポーティに仕立てられている。

 

ボディ補強や足回りのブラッシュアップも行われるというから、間違いなくさらに痛快なコペンが誕生するに違いない。ちなみに、TOYOTA GAZOO Racingブースには、白いボディカラーのCOPEN GR SPORT CONCEPTが展示されていたが、ダイハツのほうはヴィヴィッドなオレンジ。さてアナタはどちらがお好みですか？