【東京オートサロン2020】WRCを戦う4WDマシンのルーツはここにある!! 【トヨタ セリカ GT-FOUR(ST165)】
TOYOTA GAZOO RacingのブースはGRヤリスのデビューで大きな盛り上がりを見せていたが、一段高いメインステージには4台のクルマが展示されていた。1台はもちろんGRヤリス、その隣に2020シーズン仕様のヤリス […]
TOYOTA GAZOO RacingのブースはGRヤリスのデビューで大きな盛り上がりを見せていたが、一段高いメインステージには4台のクルマが展示されていた。1台はもちろんGRヤリス、その隣に2020シーズン仕様のヤリスWRC。そしてこの2台の脇を固めていたのが、2台の“セリカ”だ。7代目が生産を終え、その名が途絶えたのは2006年のこと。しかも登場したのは’80年代後半に現役だった4代目セリカT160型だ。すでにヘリテージモデルだが、そんな展示からトヨタの熱い思いを感じとったクルマ好きはきっと少なくないと思う。
“流面形、発見さる”であっと言わせた美しいデザイン
ステージに向かって右端に置かれたのは、1985年発売の4代目セリカに、1年遅れで追加されたGT-FOUR(ST165)だ。キャッチコピーに“流面形、発見さる”を用い、Cd値0.31を誇るスタイリッシュなエクステリアの魅力を全面に押し出していたが、GT-FOURは185ps、24.5kg-mを発揮する3S-GTEU 2リッターDOHCターボエンジンを搭載し、これに4WDシステムを組み合わせたスポーツモデル。トヨタで初めてセンターデフを持つフルタイム4WDシステムが採用された量産車なのである。
WRCでめざましい活躍を見せた歴史に残る4WDマシン
そしてステージ左側に展示されたのが、’90年のサファリラリー優勝車の“セリカGT-FOUR(ST165 WRC)”である。セリカは4代目T160型の前型、A60型においてもグループBホモロゲ用マシン GT-TSが用意されるなどしてWRCに参戦していたが、’87年にはグループA規定に準拠したT165型セリカGT-FOURが、トヨタ・チーム・ヨーロッパ(TTE)からWRCに投入される。そうして、ここにトヨタ初のフルタイム4WDラリーカーが誕生したのである。その後セリカGT-FOUR は熟成を重ね、’90年にはカルロス・サインツがドライバーズチャンピオンに輝き、日本車による初のWRCタイトルをトヨタにもたらしたのである。
スポーツ4駆を長くラインナップに持たなかったトヨタにとって、GRヤリスは念願の一台なのだけれど、そのルーツをさかのぼれば、このセリカGT-FOURに行きつく。そんなレガシーを振り返ることのできる展示は、なかなか見応えのあるものだった。