• TOKYO AUTO SALON 2019
  • 2019年1月16日

【東京オートサロン2019】奇抜なだけでは終わらせない、クオリティの高さで魅せる力

アメリカンSUVをもとに強烈なキャラクターを創りだす アメ車に特化して独創的なカスタムカーを送り出しているCOAST MOTORINGが、東京オートサロンに展示したのはフォード・エクスプローラーだ。北米ではダントツの人気 […]

アメリカンSUVをもとに強烈なキャラクターを創りだす

アメ車に特化して独創的なカスタムカーを送り出しているCOAST MOTORINGが、東京オートサロンに展示したのはフォード・エクスプローラーだ。北米ではダントツの人気を誇るSUVだけれど、残念ながら2016年にフォードが日本市場から撤退してしまったため、現在正規輸入は行われていない。全長は5mを超え、全幅も2m。アメリカンSUVらしい堂々とした体躯を誇るが、3.5リッターのV6のほかに、2リッター直4のダウンサイジングターボエンジンを搭載したモデルも用意し、スタイリッシュかつユニークなモデルだった。

驚異的なラージリムを飲み込むため、オーバーフェンダーを製作

そんなエクスプローラーを、COAST MOTORINGは見どころたっぷりに仕上げている。まず大注目なのは、30インチ(!)のタイヤ・ホイールを収めてしまったところだろう。カスタムの素材として、その可能性は未知数のクルマだったが、COAST MOTORINGではオリジナルの状態のままでも26インチが履けることがわかると、30インチのラージリムを装着すべくプロジェクトをスタート。国産車のフェンダーアーチをもとに加工を施し、ワンオフでオーバーフェンダーをつくりあげた。また、車高を上げ、ブレーキキャリパーブラケットなどもイチから製作するなど多岐にわたって手を入れ、このカスタムを実現したのである。

ホイールはLEXANI FORGERで、サイズは9J×30。タイヤもLEXANIを組み合わせ、こちらのサイズは255/30R30だ。真横から眺めると、そのホイールの存在感に圧倒される。そして相対的にタイヤが薄っぺらく見えることと言ったら……。じつにインパクトのある仕上がりである。けれど、驚かされたのはそれだけではない。ワンオフのオーバーフェンダーのクオリティが素晴らしく、エクスプローラーのフォルムになんの違和感もなくとけ込んでいることにも感嘆した。秀でた技術力とノウハウがあるからこそ、独創的なカスタマイズが成り立つのだろう。

スーサイドドアはハイクオリティを感じる別世界への入り口

そしてもうひとつ、大きな仕掛けがこのエクスプローラーにはある。クルマのネーミングのとおり「SUICIDE DOOR(スーサイドドア)」に変更しているのだ。

スーサイドドアはリア側にヒンジの持つドアのこと。リアドアを加工することでいわゆる観音開きになるようにしたのだが、これが一筋縄ではいかなかったのだそう。

ヒンジをオリジナルで製作したのはもちろんのこと、前後ドアとも90度ほど開くように、また開いた際に丸見えになるBピラーをスムージングするなど、細部にまでこだわりを込めたことでさまざまな苦労があったという。

そうして前後ドアを開けば、これまた美しくカスタムされたインテリアに目を奪われる。高級なナッパレザーを用いてシートを張り替え、ルーフトリムもアルカンターラに変更しているほか、ラゲッジルームにはCOAST MOTORINGのロゴをあしらった刺繍も施されている。

「SUICIDE EXPLORER」は、細部まで徹底的にこだわることで、独自のスタイルを貫いているのである。